同じ構造の構文の振り分けのための指定
二重の「必須指定」
次に、以下がシナリオの全体像です。
このうちシナリオの黄色い部分、89行目、139行目、159行目を見てください。
黄色い部分の89行目、139行目、159行目のシナリオは、
花子が<<太郎を>>${振る}
花子が<<太郎を>>${断る}
花子が<<太郎を>>${受け入れる}
というように、3つとも
花子が<<太郎を>> ${動詞}
という同じ構造をしています。
そのため、この${動詞}に必須指定がない場合、順序が入れ替わってしまう場合があります。(意図していたシナリオにヒットしない場合があります)
上では、「花子は彼を断った」と発話しているにも関わらず、
「花子は彼(太郎)を断る」を差し置いて
「花子は彼(太郎)を受け入れる」というシナリオと
「花子は彼(太郎)を振る」というシナリオが上位に来ています。
そのため、動詞に必須指定を加えることで、それ以外の動詞ではヒットしないように振り分けました。
花子が<<太郎を>><<${振る}>>
花子が<<太郎を>><<${断る}>>
花子が<<太郎を>><<${受け入れる}>>
というように二重に「必須指定」することで、
「花子は彼(太郎)を断った」と発話した場合に意図どおり<<${断る}>>のシナリオにヒットするようになりました。
このように、「必須指定」のもう一つの大きな活用例は、
「同じ構造の構文の動詞を峻別し、振り分けること」です。